第57回フォーラム
「MBA、系外惑星探査、そして神経生理行動学」


日時:2019年6月2日(日)
    2:30PM講演会開始
    6:00PM講演会終了
会場:UCLA Anderson School of Management, Room C301




講演1
講演1 卒業記念特別講演 「米国のMBA教育と日本企業の課題」
中島達朗
UCLA Anderson School of Management Full-time MBA


要旨:米国でのMBA教育はビジネスの現場でのトレンドや新たな研究成果によって日々変わりつつある。しかしながら、日本における米国MBAの理解は、一昔前のMBAの理解に基づいており、変化を続ける米国のビジネス教育のダイナミクスを捉えられていないと感じる。今回は中島の2年間のUCLA Andersonでの経験をもとに、米国MBA教育の実態や将来の姿について語りたい。また特に興味深い点として、米国MBAでの日本経済や日本企業への視点を紹介するとともに、米国企業と比較した場合に浮かび上がる日本企業の課題についてお話したい。

ご略歴: 東京大学基礎科学科(科学史・科学哲学)卒業(2009年)。大学卒業後は、コムシスホールディングス株式会社に勤務し新規事業開発を手がけた。2017年にUCLA Anderson School of Management Full Time MBAに入学。2019年6月に同課程を卒業予定。

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講演2
「系外惑星の直接撮像探査 」
鵜山太智
California Institute of Technology / Infrared Processing and Analysis Center (Caltech/IPAC)
NASA Exoplanet Science Institute (NExScI)


要旨:この広い宇宙において地球という存在は唯一のものなのか、それとも普遍的なものなのか、という疑問を解き明かすことは科学者のみならず遥か昔からの人類の夢の一つである。1995年に太陽のような恒星の周囲を回る惑星が発見されて以来、(太陽)系外惑星の観測的研究は大きな発展を遂げた。その結果として、惑星系の統一的な理解のためには太陽系のみならず系外惑星の形成・進化過程を議論する必要がある事が判明した。本公演ではこれまでの系外惑星観測の歴史から、将来的な「第二の地球探し」についても紹介する。系外惑星の観測手法はいくつかあるが、特にその中でも系外惑星の存在を画像として示すことのできる唯一の手法、「直接撮像法」について焦点を当てる。

ご略歴: 2014年3月に東京大学理学部天文学科を卒業、2019年3月に同大学理学系研究科天文学専攻を修了。日本学術振興会特別研究員DC2(2017年4月-2019年3月)、ハワイ大学ヒロ校訪問研究員(同振興会海外挑戦プログラム: 2018年4月-7月)。現在は同振興会海外特別研究員として、カリフォルニア工科大学・NASAの研究室にて系外惑星に関連した観測的研究を進めている。

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講演3
「動物の感覚と行動の神経生理学 」
冨菜雄介
慶應義塾大学理工学部生命情報学科
CalTech, Division of Biology & Biological Engineering


要旨:発達した中枢神経系をもつ多くの動物は, 発生的制約を受けながらも, それぞれの生態環境に適応するかたちで驚くほどバラエティに富んだ感覚・運動・認知能力を進化させてきた。動物がこうした能力を発揮する際, 中枢神経系を構成するニューロンはリアルタイムでどのように機能しているのだろうか?神経生物学や神経行動学の黎明期では, 研究上の特定の問いに迫るためにベストな動物を選び抜くことから始め(August Krogh’s principle), 動物学のセンスを問われたという。昨今の実験神経科学の分野では, 医学研究のみならず基礎生物学研究においてもマウスに代表される少数の“標準的モデル動物”が主流となり, 実験動物種の多様性は狭まっている。本講演では, (1)神経生物学/神経行動学における歴史・思想・重要な発見について要約するとともに, (2)南カリフォルニアで活躍された日本人研究者の小西正一博士(Caltech)と萩原生長博士(UCLA)の研究をご紹介しつつ, (3)私がこれまでに行ってきたロブスターとヒルを用いた研究を紹介することで, この分野の魅力を一人でも多くの方々にお伝えしたい。

ご略歴:北海道大学理学部生物科学科(生物学)卒業(2009年), 同大学院生命科学院修士号(2011年), 博士号(2014年)取得。JSPS特別研究員DC1(2011-2014年)。ポスドクとしてシンシナティ大学生物学部門(2014-2016年)に赴任。ラボ異動にともないカリフォルニア工科大学(Caltech)生物学・生物工学部門に所属(JSPS海外特別研究員, 2016-2018年)。2018年よりJSPS特別研究員PDとして慶應義塾大学理工学部に所属しながら, 現在もCaltechで研究を続けている。専門は動物生理学を基礎とした神経生物学・神経行動学で, ロブスター・ザリガニ, ヒルといった無脊椎動物を用いてきた。日本比較生理生化学会評議委員(2018-)。北海道生まれ。実家はサラブレッド生産牧場である富菜牧場を営む。