第53回フォーラム
「3Dプリンターと人工生命」


日時:2018年10月14日(日)
    2:30PM講演会開始
    6:00PM講演会終了
会場:UCLA Anderson School of Management, Room B313


講演1
「3Dプリンターの発展とエネルギー材料への応用」
成田 海
カリフォルニア工科大学 材料科学専攻 PhD課程


要旨:3Dプリンターで使用可能な材料がプラスチックから金属へと幅広くなってきたことから、その応用例は、試作品の製造から、実際の製品としての生体インプラントや飛行機のエンジン部品など多岐にわたる。本講演では、このような「現在実用化されている3Dプリンターの仕組みや応用例」といった基本的なことを踏まえながら、最先端である学術研究段階において、「3Dプリンターで使用可能・不可能な材料は何か」についてお話しする。また、3Dプリンターの応用先の大多数を占める、モノの形・構造を支える“構造材料”ではなく、「電池や触媒といった、エネルギーを変換、貯蓄する“エネルギー材料”への応用」についても、私の研究である3Dプリンターによる電池電極の開発の話を交えながら紹介していく。

ご略歴:東京工業大学学部および修士にて材料科学を専攻し、2016年秋よりカリフォルニア工科大学のPhD課程に進学。東工大では生分解性インプラント材料の研究を行い、カルテックにて3Dプリンターの電池への応用の研究を始める。竹中育英会海外奨学生および、孫正義育英財団財団生。

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講演2
「人工生命 ~人間をシミュレーションする~」
仲田 真輝
UCLA コンピュータサイエンス コンピュータグラフィックス・ビジョン研究所


要旨:本講演では人間をシミュレーションするということについて紹介する。映画、ゲーム、VRといった分野でアニメーションのリアリティは年々向上している。近代の映画はもはや、ひと目見ただけではCGか実写かわからないほどである。しかしながらその制作現場では多大なる時間とコストが使われている。それはキャラクターアニメーションを生成するために、人が脚本を書き、また人の手によってその動作を実行してあげる作業が必要だからである。それゆえに、ハリウッド映画の制作費は何十億円にも及ぶ。またその見た目の美しさにも関わらず、キャラクター自身が知性をもっていないために、「不気味の谷」と呼ばれるような、なにか気持ちのわるい映像になってしまうことも、ゲームなどではしばしば見受けられる。そういった問題を解決するために、人間を内面からシミュレーションしてあげることが必要である。キャラクター自身が環境から物事を感じ、考え、行動することができれば本当の意味でのリアルなアニメーションを生成できる。それもリアルタイムで様々なインタラクションにも対応可能である。今日の、よりインタラクティブなVRゲーム等においてはプレイヤーとのインタラクションは不可欠になってくる。そういったときに真の意味での物理学・生物学・認知科学等に基づいたインテリジェントなキャラクターが必要になってくるのである。シミュレーションということで人間をボトムアップ的に作っていくことで、将来的にはそれが人間の仕組みを理解することにつながるような土台になれば良いと願っている。

ご略歴:2011年早稲田大学物理学及応用物理学専攻修士課程を卒業後、株式会社インテルに入社、数ヶ月で退社し渡米後、UCLAコンピュータサイエンス博士課程で人間をシミュレーションする研究に従事する。現在UCLAでポスドク研究員をする傍らタートアップ事業も運営中。