第41回フォーラム 「トランジスタとマイナス金利」

日: 2016年4月9日(土) 

講演No.1
「電子工学入門:トランジスタの世界」

鳥山優太 (Yuta Toriyama), Ph.D. Candidate
Department of Electrical Engineering, UCLA

要旨:ここ数十年で電子工学の技術は飛躍的な発展を遂げ、様々な電子機器が私達の日頃の生活に当たり前のように浸透しています。しかし、電子機器は普及の加速と共に複雑さも増し、機能や仕組みは非常に難解です。普段何も気にせず使っているパソコンやスマホですが、そもそも中ではいったい何が起きているのでしょうか。代表的な技術である音声の無線伝送に添って、電子工学における基本的な概念や仕組みなどを専門外の方にもわかりやすく解説します。

略歴:2009年カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)電子工学計算機科学部卒業。2011年UCLA電子工学部集積回路科修士課程修了後、2012年より同学科博士課程在籍。2011年にBroadcom(アーバイン市)、2014年に東芝(横浜市)などでインターンとして職務経験。2014年Broadcom Fellowship受賞。現在の研究テーマは多元低密度パリティ検査(LDPC)符号や空間結合符号などにおける復号アルゴリズムの実用化に向けたASIC実装やその計算量の軽減やエネルギー効率の改善、など。

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講演No.2
「マイナス金利」と疑似自然実験

桜井悠司(Yuji Sakurai)
University of California, Los Angeles (UCLA)
アンダーソン経営大学院ファイナンス博士課程

要旨:(1)金融市場において、一見するとリスク無しに超過リターンを得ることのできる投資手法や予測可能性はアノマリーと呼ばれ、現在まで100近く報告されているが、近年はマクロ経済学的な観点からの分析が進められている。そのようなアプローチの一つの応用例として、近年新しい金融政策として導入されたマイナス金利を議論する。(2)他方、仮説をより説得的に検証するという観点から、疑似自然実験に基づく研究が進められている。ファイナンス研究における上記の2つの潮流を解説したい。

略歴:2005年に東京大学教養学部基礎科学科数理科学科卒業。2007年に東京大学情報理工学研究科数理情報科学専攻の修士課程卒業後、JPモルガン証券とみずほ第一フィナンシャル・テクノロジーにてデリバティブの金融工学の専門家であるクオンツとして勤務。2010年に脱サラ後、日本銀行金融研究所で任期付きのファイナンス研究員として学術的研究を行い、2011年からUCLAアンダーソン経営大学院のファイナンスの博士課程に在籍。

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