第30回フォーラム 2013年11月03日 「化学工学技術の医療への応用」

Drug delivery systemを駆使した次世代医薬品の開発」
小出 裕之, Ph.D. (Hiroyuki Koide)
Department of Chemistry, University of California, Irvine

薬剤は、必要な時に、必要な量を、必要な部位に、到達させるのが理想とされています。しかし、薬剤は体内の広範囲に分布してしまうため、患部に到達するの は極微量であると言われています。そこで、Drug delivery system (DDS)という概念が考えだされました。DDSとは、目標とする患部に、薬物を効果的かつ集中的に送り込む技術であり、抗がん剤など副作用の重篤な薬剤 開発の切り札として注目されています。本講演ではDDS技術の一つであるリポソームというナノカプセルを用いた研究の歴史と最新の動向を紹介させて頂きま す。

略歴:20063月 城西大学卒業後、薬剤師免許取得。20113 静岡県立大学大学院薬学研究科にて博士(薬学)取得。20114月より現職。がん治療に向けた、合成高分子ナノ微粒子開発に従事している。20141 月より静岡県立大学薬学部の助教に着任予定。赴任先では脂質二重膜から構成されている人工細胞様微粒子リポソームを用いたDrug delivery systemに関する研究に従事する予定。2010-2012年 日本学術振興会 特別研究員。20134月~ 日本学術振興会 海外特別研究員。


「紙を用いた低コスト高機能検査デバイス」
筒井英成,Ph.D. (Hideaki Tsutsui)
Department of Mechanical Engineering, Department of Bioengineering, Stem Cell Center, University of California, Riverside

近年アメリカでも医療費の高騰が問題になっていますが、発展途上国の貧しい地域では最低限の医療検査および治療も受けられない貧困層が沢山います。そこで 最近ではDIAGNOSTICS FOR ALLに代表されるような、紙を用いた低コストの医療検査デバイスの開発が盛んに行われています。我々にとって身近な紙が、どのようにして高機能検査デバ イスに変わるのかを簡単にご紹介します。

略歴:2001年に東京大学機械工学科を卒業後、大学院留学のため渡米。2003年にMS in Mechanical Engineering (UCSD)2009年にPh.D in Mechanical Engineering (UCLA)を修了。UCLACenter for Cell Control (NIH Nanomedicine Development Center)でのポスドクを経て、2011年よりUC RiversideDepartment of Mechanical Engineering, Department of Bioengineering,  Stem Cell CenterにてAssistant Professorとして教育および研究に従事する