記憶から分子まで

記憶とは、日々の経験により脳の中で何らかしらの変化が起きることによって、私たちの中に蓄積していくものです。しかし、この脳の中の変化がどのように起 き、それが記憶にどうつながっているか、まだ明らかにはなっていません。この関係を解明することによって、覚えなければならない大切なことをいつまでも保 存し、また、トラウマになるような忘れたい記憶を持つ患者さんへの治療法改善に光をもたらすこともできます。今回は、多岐にわたる記憶に関する研究分野から、最新の成果についてお話しし、分子・細胞レベルにおける記憶形成機構についてご紹介させていただきます。

王 丹 (おう たん)
Postdoctoral Fellow
Department of Psychiatry and Biobehavioral Sciences
University of California, Los Angeles

中国遼寧省瀋陽市出身。東京工業大学生命理工学研究科生命情報専攻で卒業後、米国University of Southern Californiaでニューロサイエンス博士号取得。UCLA, Department of Psychiatry and Biobehavioral Sciencesにてポスドクとして分子、細胞レベルでの記憶の分析研究に従事。